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不動産投資の実態は Ⅲ 効果について

前回は不動産投資の面白み、危険性(リスク)についてお話ししました。今回は投資に範囲を広げて話したいと思います。広辞苑によると、出資・投資とは、①利益を得る目的で、事業に資金を投下すること、②比喩的に将来を見込んで金銭を投入すること、③元本の保全とそれに対する一定の利回りを目的として貨幣資本を証券化すること等とされています。私は投資とは、効果を期待するものと考えており、この投資をすると、どのようなリターンがあるのか。投資には、ハイリスク、ハイリターンという言葉があり、リスクが大きいとリターンも大きいということです。

ヨーロッパの大航海時代から近世の海洋交易において、船が交易を終えて無事帰ってくると、一航海で大資産を築けましたが、船が難破すると無一文になるという具合でした。それでもヨーロッパの人々は、一大投資をし続け、ヨーロッパに莫大な富をもたらしました。まさにハイリスク、ハイリターンの極致でした。

しかし、投資には銀行等のようにローリスク、ローリターンの業種もあり、長い年月をかけて収益を得ることもあります。すべて今の世は投資と効果なのです。では投資にはどんな効果が必要かというと、それは収益性であり、最も大切なことです。

この投資は利回りがいくらで、何年で回収し、その後どれくらいの年月稼働し、利益を確保し続けることができるだろうかと言うのが収益還元法の考え方です。株式会社等も、この収益を上げる組織の一形態であり、収益を上げることが会社存続の鍵なのです。この収益を上げる為に人々はまず労働力に投資をし、労働力を有効化する為に設備投資を行います。この労働力、設備を集約する為の資金を投資するのが株式投資であり、借り入れするのが、借入金の借入投資です。この投資に配当金というリターン、借入投資には金利というリターンが必要です。この投資とリターンの為に経営という資質が求められます。この配当金利を払う為にどう労働投資、設備投資を生かし、収益を生むか、これが経営の真髄なのです。未来を予測する力、読む力が経営者に求められる最大の資質なのです。

ここで、先日新聞で報道された小松ドームを例にとると分かりやすいのではないでしょうか。小松ドームは、全国的なムードに流されて、一政治家の選挙の公約によって、当時70億円をかけて建設されました。当時の時流に乗り、あらゆる専門家のアドバイスがあったと思うのですが、誰も責任をとる者がいません。当時の政治家は亡くなられています。その中で運営できない市民が、ドームの利点を生かせない、採算が合わない施設を造ったのです。経営的センスの不足した人達の主導のもと、未来を予測できない人達と地元の強い要望によってできたのです。その修繕費用は70億円、解体費用は10億円とも言われています。こんな施設が何故できたのか?それはその時代の為政者に、未来を予測する能力がなかったからです。これが投資に失敗した小松市の実態です。しかし、この投資の失敗は誰も責任をとるものがいない、強いて挙げれば我々市民に押しつけられるのです。このような投資の失敗の残骸は色々と見受けられます。そしてその失敗は未来型図書館という形で再度繰り返されそうです。私たちは、失敗から学んで投資のリスクをいかに低くするかということが大切なのに、その失敗から学ぶことをせず、ハイリスク、ローリターン、いや負のリターンを負おうとしているのです。投資とはいかにリスクが大きいか、そのリスクを排除してハイリターンを期待することが経営です。

ハイリターンとは読書をする市民が多く集うことです。最近は電子書籍もあり、本を手に取り読まない人々が多いとも聞きます。どう未来型図書館を利用し必要な施設になるのか。市民が未来にリスクを負うのでないかと危惧をなくす。そして30年後ぐらいに雨漏り、修繕、運営費用がかさんで、不用になり壊す費用がいくらという話題が小松に沸騰しない為に。

ちなみに私は[小松ドームの危機]を建設する前から声高に言い続けていました。その答えは、「私が施政者でいる間は大丈夫。」でした。 大きな公共投資をする時は、施政者の判断だけでなく様々な思惑を未来に見据えての検討が重要と繰り返しいいます。誰がその投資のリスク負うことになり、責任を他人事でなく取るのかを真剣に伝えてほしいです。

不動産遊民

都市研究家 調(しらべ) 亮(わたる)

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