サンサンコーナー
不動産投資の実態は Ⅱ
20年程前「金持ち父さん 貧乏父さん」というタイトルの本が世界的ベストセラーになりました。その内容を端的に言うと、若い時に賃貸物件を持ちなさい。特にアパートを所有しなさい。借入をしてでも所有しなさい。そうすると20年ぐらい経つと所有する人としない人との差が歴然としてくるという話です。私は38歳の時、不動産業で起業独立した頃から賃貸物件と賃貸管理には、注目し投資し、42年という歳月になります。
きっかけは、起業前に現APAに勤めていた頃、今は亡き元谷外志夫代表のアメリカ視察に同行したことです。アメリカは資本主義の国で、特に不動産に対する考え方、収益還元主義が盛んで、様々な不動産への投資が盛んに行なわれていました。その当時、トランプ氏がマンハッタンのティファニー(宝石店)の隣にトランプタワーを建設し、話題になっていました。これこそトランプ氏が大統領になるきっかけのビルだったのかもしれません。私はそのビルの豪華さに感動し、その後2度ほど訪問しました。この時すでにアメリカでは、「賃貸を制するものは不動産業を制する」と言われていました。まさにその通りで、石川県内においても賃貸、賃貸管理をする者は、不動産業界を牛耳っているように思います。(金沢の大手賃貸業者 クラスコ、アーバンホーム、のうか不動産等)そのうえ、相続対策としてアパート、マンションを建てて経営すると良いということで、大東建託等によるアパート等の建築が急速に行われました。なるほど、賃貸経営は借入して建てるか、購入するかすれば不動産収入が得られ、さらに借入の返済ができれば、その不動産はローン返済後自分の所有となります。老後の安定収入となり、働かなくても時間が経過すれば不動産所得となり、お金持ちになれるということで、所有する人と所有してない人との差が、「金持ち父さん 貧乏父さん」との格差になることを促したのです。
それに触発された多くの人が、貸家、アパートやマンション、ビルなどの不動産経営に乗り出し、実際に成功を収めた方もいるようです。
一方で、失敗された方もいるようです。それは、10年、20年、30年と、投資期間が長きにわたるということです。そのうえ、投資物件が古くなるにつれて、修繕などが多く発生するようになります。その投資物件が将来伸びる地域にあり、値上がりが見込める場合には、とても成功した投資となりますが、地域がよくない場合、建物の老朽化が進むと、取り壊しをしなければならないというお荷物にもなりかねません。
このことで気付くのは、投資物件の立地の重要性です。日本は急速な少子高齢化に見舞われています。これにより居住系の物件は空室が目立つようになってきています。一方、便利な立地、例えば小松だと、やはり一番は小松駅を中心に半径500mの範囲が生活に便利になってきています。何故ならば、脱車社会の到来が身近に迫っているからです。高齢化による運転免許証返納、ガソリンの値上がり等により交通の利便性が求められるようになってきました。昔は広い敷地を求めて郊外へ郊外へと出て行ったのですが、車が運転できなくなるにつれ、駅周辺、歩いて行ける利便性が、良い立地の条件となってきているのです。
そのうえ、東京一極集中に見られるように人口の過密化がすすんでいます。これにより、立地の良いところはさらに良くなり、過疎化が激しい所はますます過疎化するという現象が起きているように思います。ということは、不動産投資には経営的センス、資質が必要だということなのです。この経営センス、将来を展望することができるか否かが成否を分けるように思われます。
働かなくても時間が経過すれば毎月収入があるというのは、なんと魅力的なのでしょう。不動産投資は不確実性、危険と利点があります。不確実性を抑え、利点を伸ばすには経営的感覚が必要なのです。また、うまい話には裏がある、と言われます。うまい話には飛びつきそうですが、ここは、やはり慎重にしなければなりません。このようなときこそ、地元の専門家にご相談頂ければと存じます。
不動産遊民
都市研究家 調(しらべ) 亮(わたる)
2026.6.4 | 08:38
