サンサンコーナー
東日本大震災に思うpartⅡ
毎日続く余震にもうこんな所には住んでいられない、と住居を物色される方、放射能不安がしばらく落ち着くまでアパートを借りようとされる方、この石川県小松の地域にも少なからず影響が出始めてきました。私達不動産業者も誠心誠意これに対応しなければならないと思っています。
私達は日頃「不動産」と軽く言っていますが、この「不動産」とは一体何なのだろうと改めて考えさせられます。まず福島原発の半径20㎞圏内が立入禁止になりました。この禁止期間は原子力の汚染が解消されるまでですから10年とか20年、いや50年100年かかるとも言われています。ではこの20㎞圏内の立入禁止期間における不動産の価値は一体どうなるのでしょう。人が入れないとすれば価値はゼロとなるでしょう。そうすると例えば、住宅ローンが残っていた場合は返済する負債だけが残るという事になり、担保価値ゼロによる個人負担のみが残るという事になります。これにより金融機関への返済が滞れば金融機関の業務を圧迫する事になります。
そして市の重要な収入源である固定資産税はどうなるのでしょう。評価はどうなるのでしょう。そこでは人も住めないのですから無価値となり、評価ゼロとなるのでしょうか。また、地盤が沈下して排水ができなくなっている地域も同様なのでしょうか。
このように考えてくると不動産の価値というのは実にもろいものだと痛感させられます。
これが東京であったなら、銀座の土地評価はどうなるのでしょう。思っただけでもゾッとします。
今回のこの巨大地震は壱千年に一度のものと言われています。人生100年と言われている(?)最近の状況に居てさえもこれに対応する対策をする事に何らかの意味があるのでしょうか?建物を耐震構造にという事でいろいろ法整備も騒がれているようですが、現在の建築物の寿命自身が50年~60年という中で建物に耐震の意味がどこまであるのか私には解りません。そしてその効力があるのか、あるとしてどれだけの震度に耐えられる建物を造れば良いのか、もっともっと研究をし、コンセンサスを得て法律化しないと自己満足になるだけで需要家(一般消費者)にのみ負担をかけるということになってしまいかねない要素がいっぱいあります。もっとたくさん議論しましょう。
今回は地震によって噴出した一つの問題、不動産の価値について書いてみました。
2011.11.14 | 11:51