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地価公示の発表について

 地価公示が発表されました。土地の一物六価と言われる評価のひとつです。この評価で全国的に地価が下落しているとニュースで姦しく騒いでいました。特に商業地の下落は激しく、次いで住宅地が激しいとのことでした。
 そして我が石川県においては金沢、小松の下落が著しく、特に小松においては小松製作所の移転や大和デパートの撤退による影響が大きくて下落率に大きな影響を与えているという報道が、これでもかこれでもかとされていました。私はこの報道こそが地価の下落に拍車をかけるのではないかと危惧を感じると共に苦笑いを禁じえませんでした。
 何故苦笑いを禁じえなかったかというと、地価というものはそれ程危うく不安定なものだからなのです。どう不安定かといいますと、地価は人の頭の中にあり、自然界には無かったものであるからです。
 自然界の動物達は自分の土地というより縄張りを主張する時は体を張って戦い、勝てばその縄張りを確保でき、負ければどこかへ行って新しい縄張りを確保すべく放浪しなければならなくなり、どんどん条件の悪い縄張りに落ちていきます。その縄張り(テリトリー)の確保に地価というものは無いのです。生活に有利な条件か不利な条件か、それしか無いのです。それを人間は戦いで確保してきたわけです。戦争と言われるものがまさにそうです。日本でも数十年前まではそうでした。いや今も竹島や尖閣列島等、国境の争いは続いています。これを争いではなく、お金で決めようとしたのが不動産の価格、評価なのです。ですから、この土地評価は人間の頭の中だけにあるのです。つまり、マスコミが下がった下がったと言えば、影響を受けやすい人間の脳は地価は下がると思うのです。特に日本人はマスコミの影響を受けやすいので悪影響を受け、地価が大きく下がると思われるわけです。これが私の苦笑いの原因です。
 下がった事をことさらに報道することによってより下がる、これは偏った報道というか、デフォルメされた報道によって、より地価に影響を与えるという事なのです。
 ではどうあるべきなのでしょう。それは事実をキチッとサラリと伝えれば良いのです。あんなに何度も何度も、又リポーターが小松の大和や製作所の建物を映して地価の下落の元凶があたかもこの二つにあるかの如く報道するのを見れば、 小松市 民の心は冷え切り、他市の人も小松はダメだと思い、より地価が下がっていくという悪循環になっていくのです。それを報道が助長していくのです。
 私は今の小松の地価下落の原因は他にあると思っています。大和の撤退はそれによるのであってそれは結果であり、原因ではないと考えいます。撤退したからと言って、少々の影響はあるかも知れませんが、そう大したことは無いと思います。何故かと言いますと、小松市 民は今までそう大和を大切にしてこなかったと思われるからです。私は、『大和が無くなったら小松はどうなるんやろ』と言う人に質問します。最近いつ大和へ行ったの?と殆どの人はこの2~3年、ひどい人は10年も行ったことが無いと言うのです。それなのに大和の撤退が影響あるの?と聞くと、いなくなったら夜暗くなるから、という話です。それ程今まで無関心だったのです。これで本当に影響があるのですか?というのが私の感想です。
 で、話が脇にそれてしまいましたが、地価は人の頭の中にあるという本論に戻りたいと思います。紙数が尽きましたので次回に続くということで。請うご期待!!

調亮

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