サンサンコーナー
私の考える本当の町づくりとは(私の梅田町)
私の住む町梅田町は今現在180世帯が生活する町です。3人に一人が65歳以上の老人となり、まさに日本の少子高齢化社会を具現化していると言っても過言ではありません。
私の子供の頃は270世帯程が生活し、子供達も何百人といて、もうそれはそれは子供の声で喧しく、その為に猫や犬なんかも落ち着いて日向ぼっこもできないという具合でした。それが今は日曜日でもまったく静かな大人の町になってしまいました。
しかし、今でも年寄りが自分の庭や家の前に植木を植え、花を咲かせて美を競っています。その事によって町民同士の挨拶があり、会話があり、誠に下町然とした人情が通い合う町となっているのです。私の母も今年86歳になり、(失礼!女性の歳を言っては母に叱られますが)その仲間達がいろいろと会話し、収穫したキューリや茄子、大根とか菜っ葉等、色いろな作物を交換したりと大変なコミュニケーションができています。おかげで私は毎日新鮮で美味しい野菜を食べ、綺麗な花々を愛で、結構な思いをしています。
このような地域での会話が老化の防止、老人の社会性の維持に大変役立っているのではないかと思います。これは誰か専門の方に研究してもらえるとデーターとしてはっきりするのかも知れません。今後に期待しましょう。
では何故この梅田町にこのような会話があるのでしょう。最初の町誕生の頃は小松製作所の社宅として開拓され、後 小松市 の市営住宅として開発されました。敷地面積は1棟につき25~35坪ぐらいの区割りで二戸一の連棟式平屋の建物でした。それを隣の敷地を買って50~60坪の大きさにして新しく建物を建替えし現在に至っています。
私は、敷地が小さくてコチョコチョと家が寄り集まっているこの状況がとても良いのではないかと思っています。隣の夫婦喧嘩がまともに聞こえ、子供の泣き声が聞こえる、この親近感が何ともいえません。その子供達が大きく成長してもその身内感と言いますか親しみは何ともいえません。その上に道路といいますか、通路が4m弱の幅で車が交差できない狭さなのです。これが道路を挟んだ向かいとの会話までも弾ませ促進させるのです。
敷地がコチョコチョと狭い、車が交差できないほど道路幅が狭い、これが地域のコミュニケーションを形成し、町の雰囲気を良くし、年寄りに社会性を持たせているとしたら、今まで 小松市 でやってきた都市計画の規制はいったい何だったのでしょう。
開発行為の規定は土地50坪以上、道路幅6mという具合に行政指導してきました。結果、車で会話が分断され、子供達が危なくて道路で遊べない、年寄りがゆっくりと歩けない、こんな町づくりになってしまいました。町づくりとは何だろう、何のために、誰のために、今まで何を指導して何を作ってきたのだろうと思います。
今住民同士の会話がなくなったという話が各地域から聞こえてきます。特に新しく作られた町から多く聞こえてくるように感じられるのは私だけでしょうか。私はこれからの町づくりは、一つ一つきめ細かに人の心理、情を理解し子供も大人も老人も、皆が共生できる、会話できるそんな町づくりこそが求められるのではないか、そんな気がしています。
私の個人的な意見でまだ誰にも話していないのですが、私の町は車の進入通過禁止にして、子供や年寄りが安心して日向ぼっこをしたり遊んだりできる歩行の町にしたいなあと一人思っています。それには大変なパワーがいりそうですね。でも住みやすい、住民のために住民に視点を当てた町づくり、これこそが本当の?「町づくり」なのではないでしょうか!!
調亮
2010.4.8 | 18:32