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サンサンコーナー

本物を見分ける目

 今、日本は、というより世界中がアメリカのサブプライムローン問題に端を発した金融危機の真っ只中にあります。100年に1度あるかないかの世界不況と言われています。私の町小松市もその例外ではなく、その不況の波を大きく被っています。特に小松製作所は大きな影響を受けているようです。コマツ関連の企業は週休五日制とか、盛業時の2割の売り上げしかない8割の売り上げ減に落ち込んで、これが、2~3年続きそうだという話もあります。誠に憂うべき状況であると思います。
 こういう中で小松市もまともに影響を受けています。この不況の波を受ける少し前、景気が良くて工場用地が不足だと、市は大型の工業団地を造成しました。造成中に用地は予約で満杯になり、完売したと市の担当者が喜んでいたのが、まあ昨日のようです。
 その時に私は早くしないと時期遅れになりますよ、と言っていたのが、ちょうど2年前のことです。その時、担当者の方はまあそんな心配は無いと楽観的であったのが、非常に印象的でした。
 でも、今となっては私の危惧が当たってしまって、その予約の満杯が全部キャンセルになってしまったと聞いています。でも、あの時にその危惧を抱いていたのは私だけでしょうか?その危惧を真剣に受け止めないで、その対策をしなかった?いや、できなかったと言われるかもしれませんが、何の施策もせずに今、もろに市が負担する状況になっています。
 では、この責任は一体誰が取るのでしょう。市の担当者、いや前市長、いや現市長、いや・・・。不思議な事に誰も責任を取らないのです。その負担は、市全体つまり市民に重く重くかかって来ると言っても過言ではありません。結局何も知らない、またなんの権限もない市民が、その責任を負担しなければならないのは従来通りのことです。
 これは一体どういう事なのでしょうか?これが政治というものなのでしょうか?いや、100年に一度の不況だからしょうがないという、市の担当者の呟きが聞こえてきそうですが。
 でも、そもそもの原因はどこに、何にあるか、私たち市民は真剣に考えなければならないと思います。なぜなら又このようなことは繰り返される恐れがあるからです。
 私はこの原因は企画してから完成する迄に費やした期間の長さ、遅さに原因があると思います。遅れる最大の原因は、都市計画に基づかないで、つけ焼き刃的に工業団地を造ろうとした所に大きな原因があると分析するからです。その事が、時代に合った、タイムリーな、スムーズな事業を展開する阻害要因となっていると思うからです。一言で言えば、小松市の都市計画が今の時代に合うように成されていないと言うことに尽きると思います、将来あるべき姿を都市計画に成されていないという不思議というか、いい加減な都市計画であるからなのです。この都市計画の問題は根が深いので、紙面の関係で次回に譲りたいと思います。

調亮

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