サンサンコーナー
最近感ずる事
全英オープンが終わり、マスコミの石川遼熱も沈静化したようです。全英オープンと言ってもゴルフをやらない人にとっては何の事かさっぱりわからないと思います。
とにかく石川遼に関する報道には凄まじいものがありました。なるほど17歳でマスクが良い、礼儀正しくマスコミに対する受け応えも素晴らしいと言えば当たり前の事だと思います。全英へ行く前から、石川遼の生い立ちから近況、狭いフェアウェイをドライバーで攻めるとか事細かに報道され、日本人が何人か行っているにも関わらず、そんなことはほとんど報道されずまるで彼の他には誰もいないが如くでした。初日、石川遼が良い位置につけるとテレビも新聞もNHKでさえニュースで報道する始末でした。おまけにタイガーウッズとプレイするという幸運(?)にも恵まれ、“夢の対決“とマスコミに煽られ、おかげでタイガーウッズも影響をうけたのか予選落ちしてしまい、我らの石川遼君も残念ながら予選落ちという結果になってしまいました。日本人選手2~3人が予選通過していて、ひとりは優勝争いにまで絡んでいるというのに、石川遼の予選落ちでもう全英オープンが終わってしまったかのような印象すら与えました。
これはいったいどういうことなのでしょう。スポーツニュースの番組を見ていていつも感じる事で今更ながらの事なのですが、人気のある人だけを報道し、注目されてはいなかったけれど良い成績を上げているという人に対する注目度というのは非常に低く、一方的な偏り、偏向報道がとても目につくのです。
この事がスポーツの世界だけであればまだ良いのですが、最近は政治経済その他社会のあらゆる報道に如実に表れ出しているように思います。
今マスコミは政治さえも予測報道により、世論をリードしようとしているように見受けられます。これはマスコミの報道理念に引っかからないのでしょうか?一面の事実のみを大きく取り上げて世論を作る、担当者一個人が自分の意見で番組を意図的に作る、やたら情緒的になったり批判的になったり…。
報道というものは事実をきっちり伝えるだけで十分、その判断は聴衆に任せる。これが正しい報道姿勢ではないかと思います。でもそれでは視聴率が稼げないのでしょうかね。
一般受けするには面白おかしくする必要があって現在のような方向に流れているのでしょうか。日本の将来に多大なリスクを負わせているように感じられてなりません。
今日本はいろいろな意味で重要な岐路に立っていると思います。私たち一般の聴衆が適切に判断できるように報道は事実を正確にキチッと伝えてほしいものだと思います。
調亮
2009.12.1 | 11:53