Home > サンサンコーナー > リスクとヘッジ PartⅡ

サンサンコーナー

リスクとヘッジ PartⅡ

 最近アパート・マンションの建設がとても目立ちます。私達不動産のプロとしても「大丈夫かいな?」と不安意識がよぎります。
 アパート・マンション等の賃貸物件は時を金に変えるという意味で、投資物件としてはとても面白いものでした。時を金に変えるとは、時が経過すればお金になるという事で銀行の金利のようなものです。日曜日もお正月休みも、お盆休みも常に金利を生み続けてくれるのです。
 しかしこれにもリスクはあるのです。銀行にはお金を借りてくれない、いや借りても返してくれないというリスクがあり、アパート・マンション等の賃貸物件にも借りてくれない、借りても家賃を払ってくれないというリスクがある訳です。それで銀行は保証人をとり担保をとってリスクを回避しようとし、アパート・マンション等の賃貸物件は、敷金を預かり、保証人をとりリスクを回避しようとしています。
 しかし最大のリスクは、銀行では借りる人がいない、借りたい人には貸せないということです。賃貸の方は借りる人がいないという事が最大のリスクなのです。このリスクの回避はどのようにしたら良いか?というと大変な難題なのです。
 今、日本は世界でもまれにみる少子高齢化社会に突入しています。この事は人口の減少を招き、ミクロでとらえればアパートに入居する人が減少するということになると思います。という事は、賃貸市場全体としては、入居者の絶対数が足りなくなるということにつながるからです。この事は、アパート等、賃貸物件の空室が多くなるという事なのです。でも今迄は生活習慣の変化によって (この変化は、本当に大変大きな変化だったのですが)世に言う核家族化によって、年寄り家族と若い者家族の別居という形で、世帯数が増加し、アパートを充足していたのです。
 でも、それも限界に来ているように思われます。そんな中で、空室のリスクを回避する最高の方法として、空室を30年間保証しましょうという事を、大手建築会社が打ち出してきました。それがサブリースシステムです。そのサブリースシステムが、アパート・マンションの建設につながり、あちこちで建っています。でも、本当に30年も保証できるのでしょうか。この保証という心地好い言葉で空室というリスクを本当に回避できるのでしょうか?
 それは決してリスクの回避ではなくて、リスクの先延ばしだと私は思います。まずサブリースシステムは決して長期の家賃保証システムでは無いという事です。これは最高裁の判決にも出ています。アパートが満室のときには保証しますが、空室が出たらトンズラ、という図式があるとしたら何の為の保証か?という事になりかねません。それは、空室が出たら保証ではカバーできるはずが無いという事を基本的に理解していないと、リスクのヘッジにはならないということなのです。
 また基本的にその会社が30年存続するかという事も問題になります。やはり原点に返って、アパートも賃貸の経営なので経営者の感性を養って、運営することこそが、本当のリスクヘッジなのではないかと思いますが・・・!

調亮

ページの先頭へ