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都市計画に求められるもの

 今まで都市計画についていろいろと述べてきました。では、小松市にとって丁度良い都市計画とはどういうものでしょうか?

 まず、小松市にとってというより、小松・加賀地区にとってどうでしょうか?現在小松、能美、加賀地区エリアでは20数万人が暮らしていますが働き口はあるのでしょうか?働き口と言えば産業です。このエリアにはかねてより、小松製作所の建機・産機の鉄工関係があり、糸関係があり、九谷関係があり、それぞれが世界、京都、東京等全国へ発信し、かなりの富を全国から集めていました。又加賀温泉郷では湯治客が全国から来ました。

 しかし産業らしい産業と言えばそれくらいで、昔から殆ど増えていませんし、新規の産業もできていません。こんな中で若い人の働き場所がどうなのかと言えばだんだん少なくなっているのが現状ではないかと思います。

 ではどうしたら良いか?どんな対策をとれば良いか、というのを都市計画的に考えてみると解り易いのではないかと思います。

 産業の育成の為には工業団地を造る必要があります。この工業団地は、居住地区からあまり離れていても不便ですし、そうかと言ってあまりに近すぎるのも公害等の問題で困ります。その上で生活する生活圏を造っていかねばなりません。

 まずその産業をしょって立つ人材の育成・確保が重要課題です。今企業では場所の確保より人材の確保を優先しています。良い人材が揃っている地域に企業が出たがっています。その良材を揃える為には教育が必要です。優秀な幼稚園、小学校、中学校、高校、大学、その上実務に間に合う人を育てる職業訓練校、経営者を育てる経営大学?等々の教育機関を備える必要があります。しかし残念な事に加賀エリアには高校までしか備えられておらず、高校卒業後は東京等の大都会に行かねばなりません。いや大都会にも大学はありますが、職業の専門家を育てる、或いは経営者を育てるというシステムは今の日本では未だどこにも無いのが現状です。

 例えば日本の政治家は東大・京大を卒業して官僚になり、政治家になっています。でも殆どの政治家は専門の教育を受けていないのが現状です。特に経営的な能力、日本を経営する能力を磨く場は一切経験せずにきたと言っても過言ではないと思います。だから政治の王道を学ぶ、又経営を学ぶ機会を持たない人が政治家になり、日本の政治の舵とりをしているのですから、それは実に危なっかしいものとなっています。この事は国においても勿論、地方においてはより酷い事になっているように思えます。そういう意味においても、地域エリアにそのような人材を育てる教育システムを作るべきだと思うのです。例えば、政治家は加賀地区、事業経営者は金沢地区とか、その地域毎に特徴を持った教育システムを都市に備えていかなければならない時期に来ているのではないかと思います。

 東京からの天下りを喜んで受け入れる時代はもうとっくに過ぎています。親方日の丸好きの日本人はもう通用しない時になってきているのではないかと思います。これからは、その地域の特性を生かした独自の個性を育てる、そういうシステム作りと都市計画作りこそが、町づくりの中に求められているのではないかと思います。

次に続く

調 亮

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