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都市計画に求められるもの№2

前回、人づくりこそが街づくりと述べました。

 しかし私が言っているのは、新しく四年制大学を造る事ではありません。今何処かの市では、四年制大学を造るという事でビルを建てています。でも今この時期にどうして四大の設立なのでしょう。今は少子高齢化時代に突入し、ただでさえ学生の数が減り、既存の四大でさえ存続が難しくなってきているというのに、この時期にあえて新しい大学とは?

東京等の大都会の中心、街中に大学がある場合はまだしばらくは良いかもしれませんが、郊外の自然豊かな広々としたキャンパスを備えた大学には誰も行きたがらなくて、経営難の為売却まで検討されているこの時期に、小松のような地方都市に優秀(?)な教授を呼べるのでしょうか?教授は来て下さるのだろうか?又、何より学生が全国から集まるのでしょうか?小松の地元の子供達でさえが喜んで入学しないのではないか、親は自分の子供をその大学に入学させるのか?心配です。

 建物を造るのは、予算、お金さえあればできます。でもその建物に魂を入れるのは運営です。その運営をやったこともない小松市がやるなんてとても正気の沙汰とは思えません。経営の「ケ」の字も知らない素人が大学経営という一番難しい経営に携わるなんて???税金の無駄遣いとしか思えないのは私だけでしょうか?

私達はいつも建物が一番高い費用がかかると勘違いしているのではないかと思うのですが、運営費の垂れ流しこそが、非常に高額なものにつくのです。その上素晴らしい経営者、素晴らしい教授陣が揃って初めて素晴らしい学生を呼べるのです。自分の子供を入学させたくない大学なんかを造ってどうするのでしょう。

 今私達は教育の必要性を痛切に感じています。でもそれは、安易に四年制大学を造るという低レベルの問題ではないはずです。

 私は、今造られようとしているその四大の特徴が何なのかを全然知りませんが、私が言いたいのは、この素晴らしい経営者を育てる、政治家を育てる教育システムを作るべきだという事であって、従来の大学の延長線上にあるものではないのです。本当の意味の帝王学、経営学、戦略を考えその上に立つ哲学の育成こそが今最も求められるもので、単純に街中に人を呼び込む街づくりと称する意図だけではお粗末極まりないと思います。

 大失敗しない事を祈ります。でも大失敗したら誰が責任を取るのでしょう。今迄は政治が絡むと誰も責任をとった事が無いというのが・・・?結局市民が・・・?

都市研究科 調 亮

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