サンサンコーナー
私のドバイ・南イタリア旅行記
先日私達は、恒例の海外への旅に出かけました。今回はドバイ(UAE)アラブ首長国連邦、そしてローマ南イタリアへの旅です。毎年小松を出発する時には雪に悩まされるのですが、今回は雪もほとんど無くスムーズに関空に着きました。
関空からドバイ経由、ローマまで16時間の空の旅です。ドバイ迄11時間、ドバイからローマ迄5時間です。飛行機はエミレーツ航空、UAEの半官半民の会社です。世界一サービスが行き届いているという評判の飛行機でしたが、我が日本のJAL、ANAのサービスと比較しても、そう大差は無かったように思いました。
機上では相変わらず、私は読書三昧です。「日本の歴史」の16巻570ページをほとんど読み切りました。読んだところは丁度江戸時代で、種々の年貢の取り立てで農民がしぼりしぼられ、その上天災により大きな飢饉に襲われてひとつの藩で何10万という餓死者を出すという項でした。どうして不作でこんなに餓死者が出るのか不思議でならなかったのですが、五公五民はまだ良い方で、酷い時は七公三民という年貢の取り立てが苛酷で、備蓄ができなかった為にその被害を拡大したのだと知りました。政治というのは一歩誤ると凄まじいものだなとの感想を胸にローマ空港に到着したのでした。
そこから、ローマ市内へ電車で向かいます。総勢8名、イタリア語のできる人は全くいない、英語は殆ど中学生並みというのが2人、それ以外は全く日本語のみという6人です。このメンバーでの珍道中が始まります。
まず電車の切符を買うという作業からです。自動販売機はあるのですが、どうやって買ったら良いのか?イタリア人が買うのを横目で見ながら8名分を購入。プラットホームに入るには切符をどうしたら良いのか?現地のイタリア人の通過動作を見ながら、ようやく日本の新幹線らしきものに乗り込みひと安心です。でも我々は、こんな事にはすぐに慣れてしまう柔軟性を充分持ち合わせています。そのうちベテランのごとくに振る舞うようになるのも時間の問題でした。
さてどこの駅で降りるのか。我々はローマ駅だとばかり思っていました。しかし上にローマの付く駅がいっぱいあって、どのローマ~駅で降りれば良いのかさっぱり分からず。結局我々の目的駅はローマテルミテ駅でした。東京駅が一つではなく、東京品川駅、東京新宿駅となっているようなものでした。それも大きな勘違いでした。でもそんな些細なことはすぐに慣れてしまってテルミテ駅のすぐ前のIQホテルに荷物を預けすぐにローマ市内見物です。
イタリアは私のあこがれの地です。塩野七生著の「ローマ人の物語」にはまってしまい、イタリア人の方よりもイタリアの古代に詳しいと自負している私にとって、人生初のローマは私の予想通りで、街全体が歴史的建造物で道路の石畳みさえも古く銹びて歴史の重みを感じさせます。街行く女性は何となく美人で、イタリア語がとびかって歩いていても心が踊ります。道にはファッションの店が立ち並び、鼻の高い足の長い女性がにこやかに迎えてくれ、我々のヒヤカシ客を適当にあしらう格好までが何となくあか抜けて我々を楽しませてくれます。これからのローマ観光の楽しさを予感させます。
さぁ古代の遺跡巡りを!と意気込んだ私の気持ちはシーザー(イタリア読みではカエサル)になったような気分。東洋の片田舎から来た、小柄で足の短い、トウガを着ても全然似合いそうもない私の高揚した気分は、とてつもなく膨れ上がり息苦しささえ感じます。
ローマの夜の散歩、徘徊、遺跡巡りにしようと思ったのですが、紙面が尽きたので次回にしたいと思います。乞う御期待!!
調 亮
2014.4.1 | 23:11