サンサンコーナー
社会システムの変革
前回は、少子高齢化社会に備えて元気な年寄りをうまく使うシステムに変革しようというお話でした。今回は経済について書いてみたいと思います。
「経済」とはそもそも中国語で 「経世済民」という語の略です。大まかに言えば、経済活動で世の中の民を救おうという意味です。
日本では、江戸時代後期から現代までの人口が、江戸後期約2,700万人、現在は1億3,000万人強に増加しています。この人口増による経済規模の拡大は単純に4.5倍になるわけです。その人口増だけをみても右肩上がりの経済成長が見込め、毎年5%とか7%とかの経済成長が見込めたわけです。一つの家内工業でも毎年生産高が伸びていき、住宅が増えていき、真面目に努力さえすれば個人の所得がどんどん増え続けていったのです。
今の厚生年金の試算もこの頃の状況を踏まえて試算されていると思います。
ところが、経済が潤うと色々な自由が謳歌でき、様々な生活スタイルを楽しめる事になりました。結婚しない若者が増え、その上子供を産まない、よしんば産んだとしても非常に低い出生率。今や日本は少子高齢化社会にまっしぐらです。この事は地球の環境という一面から見ればとても良い事なのかもしれません。しかし対世界に目を転ずると、とても競争力がある社会とは思えません。
先日海外へ行ってきましたが、そこでは私達のような年代の人はあまり見かけませんでした。お年寄りはどこにいらっしゃるのですか、と尋ねると上の方を指さします。2階にいるのかと思えば、それは天国にいるんです、という事だったのです。
そうなんです。お年寄りは皆お亡くなりになって、若者たちが世の中を謳歌しているのです。平均寿命60何才、驚くべき事で、日本では・・・のごとくです。
では、この行き詰まり状況をどう打開するか?これは大変な難事業です。今のアベノミクスのごとき小手先の動きで、とても解決できるものではないと思われます。もっともっと根本的なものが必要だと思われます。
今政治家は、どんどん税金を重くする事、そして法律で国民を縛る方向で解決しようとしています。今の政治家のレベルではこんなアイディアしか無いのでしょうか。税金を重くする事、法律をいっぱい作って取り締まる事は、一見世の中がうまくいくように錯覚するのですが、これは長い目で見れば、国民の自由な活動を妨げ、国際競争力を削ぎ、働く意欲を減退させます。一億総人口が公務員になって安定した生活、働かなくても食っていける生活を求めだすのです。今若者たちは働かなくても親の脛を、親の年金をあてにして生活している人がものすごく増えてきています。一生懸命働いた人と程々にしか働かなかった人との差が無くなれば、働きたくなくなるのは当たり前の事です。そして、法律が細かい事を決めれば決める程罪が増えていき、ペーパードライバーが一番優秀なドライバーとして表彰されるような変な世の中になってしまいます。
行動には常にリスクと報酬があると思います。リスクが大きければ大きい程、その報われるものも大きいという社会でなければ、誰が冒険に挑戦すると思いますか?
誰もしないと思います。やはり努力したものが報われる、挑戦したものが成功を勝ち取り、その報酬を得る、そんな世のシステムにしないと若者がどんどん年寄りになって年の若い年寄りが増え、ただでさえ多い本当の年寄りを合わせて、日本は年寄りばかりになってしまいますよ。
世のシステムを若者が若者らしく働く意欲を持ち、年寄りは若々しく働ける、そんなシステムの構築こそが政治家の役目ではないでしょうか!!
調 亮
2014.3.1 | 22:44