サンサンコーナー
円安と円高
最近アベノミクスの影響なのか、円安が急速に進んでいます。一時的には120円台を窺うような勢いです。
安倍首相は、円安が日本の景気を良くし、デフレを脱却してインフレを促進させるという信念で政策を取りました。今年4月に消費税を8%に値上げし、来年の10月には10%にする予定でした。しかしこれを1年半延期して、国民にその信を問うという事で解散総選挙にうって出たのですが何か一つ割り切れません。国民に何を問うのかよく理解できないのです。消費税アップの1年半延期で国民の信を問うとすれば、こんな事は信を問うような内容でしょうか?消費税を廃止、ならば理解できるのですが…?
では円安は本当に国民にとって良いのでしょうか。
まず円高のメリット・デメリットを探ってみますと、円高だと輸入をする物は安く輸入できます。我々国民、国内に生活する者にとっては安く生活できます。例えば、ガソリンは安く買えます。また海外に原材料を求めるものにとっては安く求められます。特に日本のように海外に食糧を求める者、原材料を求める者にとっては原価を抑える事ができ非常なメリットがあると思われます。
又海外旅行する者にとっては非常に円に価値があり、使い出があります。
ところが、円安になるとガソリンは上がる、食料品は上がる、製造コストは上がる、と最悪です。我々低所得者の可処分所得は完全に目減りします。でも、円安になると海外に輸出する企業には大変なメリットがあります。1円円安になると何百億の利益が増えるという事です。又海外からの旅行者は日本に旅行をし易くなり、たくさんの観光客が日本に訪れるでしょう。海外の投資家が日本に投資し易くなり、土地等の不動産も海外の人は買い易くなりそうです。
円安でメリットを享受できるのは主に大手企業ばかりで、中小零細企業にとっては、製造原価は上がるけれどそれを販売価格に転嫁できず、とても大変みたいです。
今は円安と言っても117円ぐらいで、まあこの間まで120円であった事を考えてみると逆に円高だった時はどうやったんや、黙って儲けていたんかな、と疑いたくなります。
客観的にみても円安よりも円高の方が一般国民にメリットが多くあると感じるのは私だけでしょうか?
昔は1ドル360円の固定の時代がありました。私の子供の頃です。それが日本の国力がついたという事で76円まで円高になり、今は117円です。この価格はひょっとして日本の実力なのか?それとも相場によって成り立っているのか?我々にとって解りにくくなっている最近です。どこら辺りが日本の実力なのか解りにくくなっています。今のアベノミクスの根底にある理論は古くなりつつあるケインズの理論に偏っているように感じてなりません。
いずれにせよこの解りにくい今こそ、政治は国民の方に目を向け政策をとることを願いたいと思います。一部の人の企業の利益ではなく、何が本当に国民、日本国のためになるのかを真剣に考え政治の舵をとってほしいと思います。
調 亮
2014.12.15 | 16:02