サンサンコーナー
世の中あべこべ PartⅡ
今の世の中はあべこべだ。若者を大切にして年寄りをないがしろにしている。少子高齢化時代に突入しているのだから、年寄りを大切にして若者をないがしろに、ではないが、年寄りを大切にして長く大事に使い、若者には甘やかすことなく強く厳しく育てる事こそが大切ではないか、と前号では述べました。
今回は格差社会の話をしたいと思います。
今日本の社会は所得の格差が出てきて、金持ちと貧乏人との差がどんどん開いてきている、という危機感をお持ちの方がたくさんおられるように思います。私も同感です。そしてこれは日本社会のみならず、全世界共通の傾向ではないかと思います。
人間はいつの頃か富の蓄積を始めました。 幾多の動物の中で唯一、人間がその長いというか短い歴史の中で、物を蓄積するという行為と、同じ人間から搾取するという行為をやり始めました。この事により、富というものが発生し、それが蓄積され、その富自身が利を生み出し、富を持つ者と持たざる者との間に格差がどんどん広がっていっている、というのが世界的な傾向です。そして、その富がもたらす余裕が子供達を教育し、教育の格差も広がり、その富を利用できる者がさらにその富を利用して、世界を活動の場として広げていっている、というのが富の利用方法なのです。こうなりますと教育の差、活動場所の差、その他のいろいろな差がどんどんと加速度的に格差社会を形成していきます。最終的どん詰まりには、革命で世の中がひっくり返らないかぎり格差が縮まらない、というのが世界の趨勢です。
それでは日本の社会はどうだろうと見ますと、社会主義国みたいなあらゆる重税、特に相続税の重さ等により、そんなに大きな富を蓄積する事は不可能に近く、個人が富を独占するという事は殆どありません。しかし、そんな中でも少しずつではありますが格差がついてきているように思われます。
でも少し視点を変えれば、これくらいの格差がつかなければだめなのかもしれません。一生懸命働いた人と、働かない人、努力した人としない人の格差がないような社会では、誰も努力をしない、ぬるま湯につかっているような社会になってしまいます。
今私は日本の若い人の動きを見ていますと、実に無気力で希望を持っていない人が多いように思われます。それが一年の自殺者が3万人とも4万人とも言われる異常な現象となって表れているのかもしれません。そんな極端な例ではなくても、若者の独立の気概が薄れているように思います。独立して起業をし、儲けて人より良い生活をしてやろうという意欲を持った若者がどんどん減って、就職するなら公務員というような風潮が若者に流れているとしたら大変です。
あべこべに格差こそが人間の発奮、努力の源であるならば、今の政策はあべこべなのかもしれません。世の中平穏に何事もなく過ごせれば良いのですが、平穏は努力によってしか継続できないのに、と危惧しているのは私だけなのでしょうか?
日本は世界に冠たる良い国、素晴らしい国です。皆で守り続けましょう。
調亮
2015.4.5 | 14:32