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丁度良い

丁度という言葉を調べると 《時間、分量など過不足なく一致するさま、きっかり、ぴったり、あたかも、さながら、まるで、まさしく、たっぷり、なみなみと》などの意味が出てきます。

私は最近年のせいか物事はなんでも丁度良いのが最も望ましいことであると思うようになりました。

例えばお金とか財産とかは自分が生活する上で足りなくては苦しいし、かといって余り過ぎてもいけない。お金が余り過ぎる、と聞くと世の中の人はそんな恵まれたことは無いと思うことでしょう。しかし余り過ぎるということは非常に辛いことなのです。将来的に争いを起こすこともありますし、まず子供達の教育に悪影響が出ます。どちらかというと不足しているよりもより悪影響が出てくるように思われます。まず子供達は働く意欲を持たない、無気力な子に育つ確率が高いように思います。そんな状態で成長していけば、必然的に無気力無責任な大人になってしまいます。そしてその有り余りあるお金、財産が一生涯に渡り充分であってくれればいいのですが、働く気力の無い生活を続けて、お金や財産が不足してくるともう大変です。最終的には年老いてから生活破綻となってしまいます。もしかしたら生活保護を受けている人の中にはそんな生活をしてきたような方がいるかもしれません。

今日、日本ではこの種の大人がどんどん増えてきているのではと心配されます。若者の登校拒否や引きこもり、高齢者の自宅とじこもり等、社会に対応できない人が続出し、また長期化しているようですが、これが我々の先人達が血と汗の努力で築いてきた結果だとすると大変皮肉なことです。逆にお金が足りない境遇がたくましい人を育てるとしたら何の為の努力だったのか解らなくなってしまいます。

日本は世界の諸国に引けを取らない恵まれた国だと思います。幸せです。でもその幸せがこのまま続くとはとても思えません。その原因が私達の豊かさが招いてるとしたら大問題です。今のお金、財産、豊さをどう使うのか、どう増やしていくのかということを教えるには、子供のうちに教育していく以外には解決策が無いのではないかと私は思っています。

日本の教育は暗記が中心の知識詰込み型となっていて、欧州のように考えて導き出すことを重視している訳ではありません。お金の使い方にしても、個人個人の資質に頼ってそれぞれ独自にやっているのが現状で、教育としては全然やっていないという御粗末さです。先を見通せない今のこの時代に、未来を洞察し、自分なりの答えを見つけ出すためには、やはり教育は必要だと思います。

また、私達は今の自分の収入が丁度良いと思えるように、収入に応じた生活をすることを覚えていかねばならないと思います。バブル時代は逆に支出に合わせて収入を決め、消費者金融にお世話になったという人も多かったと聞きます。ですがこれからの日本は景気も衰え、国力も衰えて下降線を辿る一方になる可能性が大です。そんな中、暗記中心の教育方針で大丈夫なのでしょうか。

どんなことも丁度が良いという考え方で、「私はお前が丁度良い」で夫婦仲を円満に、所得は「私の生活に丁度良い」、友達は「私の価値観に丁度良い」、なんでも「私に丁度良い」と思うことが世の中をうまく渡る秘訣なのではないでしょうか。《丁度良い世の中に》 過ぎたるは及ばざるが如しといいますが?
不動産遊民

都市研究家 調(しらべ) 亮(わたる)

 

 

 

 

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