サンサンコーナー
グランドデザインを描けない日本人Ⅲ
小松の都市計画Ⅱ
今の小松の都市計画は計画ではなく、昭和50年の現状をそのまま写しただけのもので何ら未来を描いたものではない、と前回述べました。では、具体的に道路を例にとってみましょう。
今は『20mを超える道路は中央分離帯をつけなさい』となっています。しかしこの中央分離帯というのは実にクセモノなのです。
車社会の現代において交通事故は永遠の社会問題です。この交通事故防止の為に中央分離帯をつけるのですが、これがその地域の面的な繁栄を阻害する一因になっているのです。 今中央分離帯がついた地域は殆ど発展していません。それは交通の便を著しく阻害し、人々が生活する上で非常な不便を醸し出しているからなのです。それで路面店舗等は大変営業しにくく、新しく店舗展開する場合には中央分離帯が無いところというのが絶対条件になっています。
何故なら、一方通行だけでは非常に生活しにくいという事なのです。それで小松商工会議所前の空港軽海線は中央分離帯が廃止されました。その結果は一目瞭然でしょう…?
また廃止したことによって交通事故が多発したという事実もないようです…?
次に車道と歩道の関係です。
今は開発行為を行う場合は最低6m幅の道路が必要とされているのですが、これが住居地域においても商業地域においても同じ考え方なのです。その結果、住居地域においての6m道路は住民間の会話をなくし、子供たちが安心して遊べない道路になってしまうのです。その事は地域のコミュニケーションをなくし、老人、若者、子供との共生できる場所を奪い、とても危険な道路にしてしまうのです。
何故なら、道が狭ければ車はスピードを落として走るのですが、6m幅の道路だと車はビュンビュン走り、歩行者はゆっくりと立ち話もままならない、そんな空間になってしまうのです。
その上『街中の道路に歩道を設けると縁石を設置しなければいけない』というマニュアルの為に街中の歩道に縁石をつけ、車の乗り入れ、交差が実に不便でいつもタイヤのゴム跡がついて見苦しいことになっています。その不便さを目で実感する為には、私の事務所の前の道路と市役所前の通りを比べて見れば一目瞭然です。どちらの方が使い易いか交通の便が良いか見比べて欲しいのです。
この事は如何に無駄で不便な事に大きな費用と労力を費やしているのかという事の証明なのです。
グランドデザイン、市民が安全で生活し易く、活性化する為にどうあるべきかを我々小松市民は検証すべきです。
そして検証し、正していくシステム作りこそが必要と思います。
パフォーマンスではなく、実地に基づいて、10年20年かけてより良い方向へ行くシステム作りが今こそ必要なのではないでしょうか!
その為に市政にグランドデザインを!!
調 亮
2014.2.17 | 12:52